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過去の『工作実験解説集』 

電機・電子・情報通信産業経営者連盟(東京都)

電動ブランコで磁石の不思議を体験!(科学の祭典2022出展)

 どんな実験なの?
    身近にある磁石、乾電池、エナメル線、コード、ボール紙などを使って電動ブランコを作ります(図1)。磁石と電気による不思議な現象を体験しましょう。
 
 実験のしかたとコツ
【用意するもの】
  • エナメル線(直径0.5㎜、長さ100㎝)、コード(直径0.28㎜、黒色長さ60㎝、赤色50㎝、赤色10㎝:各1本)、強力磁石(5個)、乾電池(単3、1本)、クリップ(2.8㎝)、ボール紙(厚さ0.3㎜程度)、竹ひご
【工作のしかた】
  1. 支柱を作ります。ボール紙(15㎝×20㎝)を用意し、15㎝の辺を5等分し折り曲げます。両端の面を重ね合わせ貼り付けると、4角柱ができます。角部(4か所)に、下から2㎝の切れ目を入れ谷折りにし、この部分を土台(ボール紙)に貼り付けます。支柱の上から2㎝の所に、竹ひごを通す穴をあけます。反対側の面にも穴をあけます。
  2. コイルを作ります。エナメル線の端から20㎝の所から、直径3㎝程度の丸棒に5回から6回巻きます。コイルを束ねるようにセロハンテープを巻きます。エナメル線のもう一方の端の長さを20㎝にしてください。エナメル線の両端の、先端から10㎝までの部分をサンドペーパーでこすり被覆をはがします。
  3. コイルとクリップ、電池ボックス、スイッチをコードで接続します(図2)。
  4. 支柱の穴に竹ひごを通し、そこに(3)のクリップを通します(図2 太い点線)。コイルの下に強力磁石を3個置いてその0.5㎝上にコイルがくるようにエナメル線の長さを調整してください。スイッチをONにしてコイルが揺れなかったら、強力磁石をさかさまに置いてください。それでも揺れなかったら、エネメル線の被覆がきちんとはがれているか確認しましょう。
【実験のしかた】
  1.  スイッチを入れるとブランコが揺れるのを確認してください。
  2. 強力磁石を逆向きに置くと、ブランコは揺れません。次に、電池の向きを逆にすると、ブランコが再び揺れます。

 気をつけよう 
  • 強力磁石をスマホやICカードに近づけないでください。
  • スイッチを入れっぱなしにしないでください。
 
 もっとくわしく知るために
  • 電動(または電気)ブランコの仕組みは、たくさんのWebサイトに掲載されています。一例リンク
  • 今回の工作・実験は「コアネット」にご協力いただきました。
       

ロータはまわる、まわる! -磁石のふしぎ- (2019年)

 どんな実験なの?
   身近にある磁石、乾電池、銅線、アルミホイルなどを使って「単極モーター」を作ります(図1)。磁石と電気による不思議な現象を体験しましょう。
 
 実験のしかたとコツ
 用意するもの】
 強力磁石(5個)、単3乾電池(1個)、アルミホイル(9×9㎝、1枚)、六角ナット(M6、1個)、銅線(直径0.55㎜、長さ30㎝程度)、セロハンテープなど粘着テープ(2~3㎝)
 
 【工作のしかた】
   (1) 乾電池の+極に六角ナットをかぶせ、粘着テープでとめます(図2)。
   (2) アルミホイルを2つ折りにし、磁石を包みます(図3)。
   (3) 銅線を図4のように曲げてロータ(回転体)を作ります。
   (4) (1)で作った乾電池の+極が上になるように、(2)で作った磁石の上にのせます。
   (5) 六角ナットの穴の部分に、ロータを乗せると(図1)、ロータは右向き(または左向き)に回り始めます。
 
【実験のしかた】
   いろいろ条件を変えて、単極モーターがどう動くかを観察してみましょう。
   (1)磁石の向きを逆にしたら、ロータの動きに変化がありましたか?
   (2)磁石の数を増やした(減らした)ら、ロータの動きに変化がありましたか?
   (3) ロータの形をいろいろ変えて試してみましょう。
 
 気をつけよう 
  ・磁石はICカードやスマートフォン、磁気カードなどに近づけないでください。
  ・実験が終わったらロータを電池から外してください。
 
 もっとくわしく知るために 
  ・単極モーターが動く原理は、下記URLに掲載されています。
      URL:http://alice.eng.tohoku.ac.jp/english/upload/zunda/zunda_motor.pdf
  ・ロータは発電機やモーターなどの製品に欠かせない部品。詳しくはWebサイトなどで調べてみましょう。
  ・今回の工作・実験は「NPO法人 コアネット」の協力を頂いています。
図1
図2
図3
図4

磁力の不思議! -リニアモーターを作ろう- (科学の祭典2018出展)

 どんな実験なの?
   身近にある磁石、乾電池、クリップ、アルミテープなどを使ってリニアモーターを作ります。リニアモーターを使い中学校の理科で学ぶ「フレミングの左手の法則」を体験しましょう。
 
 実験のしかたとコツ
   図1に示すリニアモーターを作ります。電池ボックス(b)やスイッチ(c)も手作りします。ものづくりの楽しさ  と磁石の不思議を体験しましょう。
 
【用意するもの】
 工作用紙、磁石12個、乾電池、クリップ(特大、大)、ダブルクリップ、アルミテープ、ストロー(直径12㎜程度)、赤と黒のコード
 
【工作のしかた】
(1) 工作用紙とアルミテープとクリップでレールと電池ボックスとスイッチを作ります。ストローとアルミテープで回転体を作ります(図1(a)~(d))。
(2) 磁力が全部同じ向きになるよう磁石を台紙に貼りつけて、レールの間に置きます(図1(e))。
(3) リニアモーターを組み立てます(図1)。レールの導体部と電池ボックス、スイッチをコードでつなぎます。レール導体部につなぐ部品にはダブルクリップを使用します。
 
【実験のしかた】
  リニアモーターの動作を観察します。回転体をレールの上にのせ、スイッチをONにすると回転体が右(または左)の方向に回転しながら移動していきます。
 磁石を貼った台紙を裏返すと、回転体の移動方向が逆になることがわかります。これがフレミングンの左手の法則です(図2)。
   流れる電気の量を多くしたとき、磁力を強くしたときに回転体はどうなるでしょうか。流れる電気の量を多くしたり、磁力を強くするにはどうすればいいか、考えてみましょう。
 
 気をつけよう 
   スイッチを入れたまま放置しないでください。
 
 もっとくわしく知るために 
 ・リニアモーターの作り方はWebサイトにたくさん情報がありますので参考にしてください。
 ・今回の工作・実験は「コアネット」にご協力いただきました。コアネットWebサイト: http://www.core-net.org
 
            
図1
 
図2

不思議!不思議!おじぎをくりかえす鳥 (科学の祭典2017出展)

 どんな実験なの?
   エナメル線を巻いてコイル(電磁石)を作り、自力でおじぎをくりかえす「おじぎ鳥」を作ってみましょう。
 
 実験のしかたとコツ
【用意するもの】
 エナメル線、太いストロー、細いストロー、電池ボックス(スイッチ付)、乾電池、プラスチック片、木板、ビニールテープ、はさみ、サンドペーパー、他
 
【工作・実験のしかた】
  (1) 太いストローにエナメル線を20回位巻いてコイルを作ります。コイル両端のエナメル線をのばし、端の被覆(ひふく)をサンドペーパーでむきます〔写真1〕。
 (2) 写真2のように、鳥の胴体木片の穴に細いストローをとおします。コイルの線を木片の穴にとおし、さらにストローの穴にとおし、端を折り曲げます。コイルをねじり、胴体木片と同じ向きにし、さらに、30度くらい(写真と同じように)傾けます。
 (3) 写真3のように木板とプラスチック片(支柱)で作った台に、電池ボックスを取り付け、電池ボックスのリード線を支柱の穴にとおします。さらに、(2)で作った鳥を支柱の上部に乗せます。
 (4) 鳥のエナメル線と電池ボックスのリード線が軽く触れるように、エナメル線の向きを調整します。
 (5) 磁石を、コイルに正対するように置きます。
 (6) 電池ボックスのスイッチをいれると、コイルが電磁石になり、磁石の反発力で、コイルが後ろに動きます。つぎの瞬間、エナメル線とリード線が離れ、コイルが電磁石でなくなり、元の位置にもどります。つぎに、エナメル線とリード線が触れてコイルが電磁石になり、コイルが後ろに動きます。このくりかえしで、鳥はおじぎをくりかえします。
 
 気をつけよう 
   ハサミでケガをしないように気をつけましょう。
 もっとくわしく知るために 
  ・電磁石のはたらきなどについては下記のサイトを参考にしてください。
     TDK「電気と磁気の?(はてな)館」
     URL http://www.tdk.co.jp/techmag/inductive/index.htm
  ・今回の工作・実験は「蔵前理科教室ふしぎ不思議(くらりか)」にご協力いただきました。
              コイル作り
        コイル巻き数 …  20回
        導線の長さ …… 15cm
        サンドペーパー削 …  6cm
鳥胴体とコイルの接合
 
完成品(ポイントは導線の接点)

握るとモーターが回る不思議な電池! (科学の祭典2016出展)

 どんな実験なの?
    冷蔵庫などで使用する脱臭剤の原料であるヤシガラ活性炭とアルミはく、銅線、食塩水を使って円筒型の活性炭電池を作ります。その電池に模型用モーターを接続し、電池を握るとモーターが回転し、離すとモーターが止まる不思議な実験をしてみましょう。
 
 実験のしかたとコツ
【用意するもの】
   ヤシガラ活性炭15g、キッチンペーパー11㎝、アルミはく12㎝、銅線16㎝、飽和食塩水8ml、直径24㎜の丸木棒、目玉クリップ付きリード線(赤と黒)、モーター(紙プロペラ、リード線付き)、プラスチックコップ、両面テープ、〔デジタルテスター〕
 
【工作・実験のしかた】
(1)キッチンペーパーに丸木棒を乗せ巻き付けます。アルミはくをキッチンペーパーの上から同じように巻き付けます。丸木棒からはみ出ているキッチンペーパーとアルミはくを折り曲げ、丸木棒を抜きます。これで円筒型の電池容器ができました。
 (2)  食塩水をキッチンペーパーに染み込ませます。さらに、活性炭を少しずつつめながらアルミはくの1㎝下まで入れます。
 (3)  折り曲げた銅線を活性炭の中心部に入れます。開いているキッチンペーパーとアルミはくを閉じます。銅線に赤リード線を、円筒の下部に黒リード線を接続します。これで活性炭電池の完成です。
 (4)  プラスチックコップの底に両面テープを付けて、モーターを固定します。紙プロペラも取り付けます。
 (5)  電池の赤リード線と黒リード線をそれぞれ、モーターの赤リード線・青リード線に接続します。モーターは回りません。つぎに、電池の円筒部分を握り締めると、モーターが回り始めます。握りを弱めると回転が止まります。
 (6)  電池の両端にテスターを接続し、電池を「握る/離す」ときの電圧を測ると、電圧が大きく変化していることがわかります。
 
 気をつけよう 
   作った電池には化学物質が入っているので分解しないでください。すてるときは市町村の分別方法にしたがってください。
 
 もっとくわしく知るために 
   活性炭電池は空気アルミニウム電池です。その原理などについては下記を参考にしてください。
   ・「夢・わくわく化学展2001実験DVD」 [炭とアルミの電池]
       http://www.chemistry.or.jp/edu/magic-dvd/chemical_01reason.html
   今回の工作・実験には、「蔵前理科教室ふしぎ不思議(くらりか)」にご協力いただきました。

赤・緑・青のLEDで 光の不思議を楽しもう! (科学の祭典2015出展)

 どんな実験なの?
    2014年に、青色LEDの発明により、3人の日本人がノベール賞を受賞しました。
    赤色、緑色、青色を発光するLEDを一か所に配置し、可変抵抗によりLEDの発光量を調整することにより、いろいろな色をつくってみましょう。
 
 実験のしかたとコツ
【用意するもの】
   赤色・緑色・青色LED、単三乾電池2個用電池ボックス、プラスチック板、2kΩ可変抵抗3個、100Ω抵抗3個、単三乾電池2個、紙製カップ2個
 
【工作のしかた】
  (1) 工作回路の接続図とプラスチック板の部品配置図を図1と図2(下部は可変抵抗の位置、単位:mm)に示します。
  (2) LEDと可変抵抗をプラスチック板に取り付け、図1接続図のとおり、ハンダまたはジャンパーピンなどを用いて接続します(電池ボックスは、プラスチック板の裏面に両面粘着テープ等で貼り付けます)。
 
【実験のしかた】
 (1) 電池ボックスのスイッチを入れて、赤色・緑色・青色のLEDが点灯し、可変抵抗を調整すると、発光量が変化することを確認します。
 (2) 可変抵抗を最大(光量は最少)にして、紙製カップをLEDにかぶせます。
   ・赤色LED用の可変抵抗の抵抗値を少なくすると、紙カップの底面の丸い赤色部分が明るく、大きくなります。
   ・緑色LED用可変抵抗を調整すると、紙カップの緑色部分が明るく大きくなり赤色と重なった部分は黄色になります。
   ・青色LED用可変抵抗を調整すると、紙カップの青色部分が明るく大きくなり、赤色と重なった部分は赤紫色に、緑色と重なった部分は青緑色に、赤・緑・青色が重なった中心部は白色になります。(図3色の重なり) 
 
 気をつけよう 
    LEDを正面から直接見ないでください。 
 もっとくわしく知るために 
    LEDの基礎知識:http://www2.panasonic.biz/es/lighting/led/led/index.html
    今回の工作・実験は「蔵前理科教室ふしぎ不思議(くらりか)」にご協力いただきました。
図3 3色の重なり

基本回路の組込みで、LEDを点滅(テンメツ)させよう! (科学の祭典2014出展)

 どんな実験なの?
   いま、電子回路を使った機械・装置が生活を大変便利にしています。今回は、電子回路として、2個のLEDが交互に点滅する電子回路を作りましょう。
 
 実験のしかたとコツ
【用意するもの】
   トランジスタ(2SC1815)、LED、コンデンサー(33μF)、2種類の抵抗(51kΩ、33Ω)、単三乾電池(各2 個)、ブレッドボード(5行11列)、単三乾電池2個用電池ボックス(各1個)、赤・黒リード線、厚紙、両面テープ
 
【工作のしかた】
  (1) 工作する電子回路の回路図は図①のとおりです。
  (2) 表①のとおりに、ブレッドボードに電子部品を刺します。なお、ブレッドボードの各列の刺し口は縦に   つながっています。
  (3) 全部の部品を刺すと、図②のように、並びます。
  (4) 図③のようにブレッドボードを電池ボックスの側面に両面テープで固定します。
  (5) 電池ボックスを厚紙で作ったケースの下面に、両面テープで固定します。
  (6) 厚紙ケースの穴部分にLEDをはめます(図③)。
  (7) 電池ボックスのスイッチをいれると、2個のLEDが交互に点滅します。
 
 気をつけよう 
    LEDを正面から直接見ないでください。
 もっとくわしく知るために 
    この回路はデジタル回路のもっとも基本的なものの一つです。2個のトランジスタが交互に働くことで、LEDが点滅します。回路の動作についてはつぎのウェブサイトをご覧ください。
    URL http://www.piclist.com/images/www/hobby_elec/ckt7_2.htm
    今回の工作・実験は「蔵前理科教室ふしぎ不思議(くらりか)」にご協力いただきました。
図①
図②
図③
 
 
 
 
表①

3Dを体験しよう! (科学の祭典2013出展)

 どんな実験なの?
 “3D”って何? 3D映画、3Dテレビ、3D絵本などを見ると、ものが飛び出して見えます。3Dビュアーとステレオ画像を作って、その不思議を体験します。
 
 実験のしかたとコツ
【用意するもの】
  ・3Dビュアー:それぞれの位置を書いた画用紙(15cm×27cm)、凸レンズ(焦点距離70mm)2枚、A7版カードケース。
ステレオ画像:デザインシール3対、台紙(105mm×85mm)
 
【工作のしかた】
  (1) 画用紙のレンズ2ヵ所を、コンパスカッターで切り取りす。
  (2) カードケース部分をカッターナイフで切り取ります。
  (3) 凸レンズとカードケースをそれぞれ両面テープで取付けます。
  (4) 画用紙の実線を山折りして箱形にし、両面テープで止めます。 これで、3Dビュアーの完成です。
  (5) 台紙の左右に枠を書きます(台紙は方眼紙を使うと便利です)。
  (6) 枠の中心部に、同じ模様の1対のデザインシールを貼ります。
  (7) 左右の枠内に、デザインシール2対をそれぞれ水平位置3mm~4mmずらして貼ります。対のデザインシールの垂直位置は正確に合せてください。ステレオ画像の完成です。水平位置のずれで飛び出し感が生じます。左右どちらにずらすと画像が飛び出したり引っ込んだりするかをためしてください。
  (8) ステレオ画像を3Dビュアーのカードケースに入れ、レンズに目をあてて3Dビュアーをのぞくと、左目で左画像、右目で右画像が見えます。
  (9) 3Dビュアーの横幅を調整すると、画像がハッキリ見え、3対のデザインシールの奥行きが違って立体的に見えます。
 
 気をつけよう 
  ・今回の工作・実験は小学生以上の方を対象としています。
  ・3D画像の見え方には個人差があります。
  ・3D画像を見る際は保護者の方の責任、管理のもと、健康状態には十分にご注意ください。
 
 もっとくわしく知るために 
    3D〔立体視〕に関する全般的な記述は、次のウェブサイトを参照してください。
     ・摩訶不思議な世界(3Dアート):http://www2.aimnet.ne.jp/nakahara/3dart/3art.html
    今回の工作・実験は「蔵前理科教室ふしぎ不思議(くらりか)」にご協力いただきました。
 

手作りコイルでリニアモーターを体験しよう (科学の祭典2012出展)

 どんな工作・実験なの?
    磁力を利用した交通手段であるリニアモーターカーは知っていますね。では、リニアモーターってなんでしょうか。作ったコイルが、磁石のはたらきで、銅線レールの上を動く不思議を体験しましょう。
 
 工作・実験のしかたとコツ
 【用意するもの】
   エナメル銅線(0.5mmφ80cm)、コイル冶具()、紙やすり、ビーズ、銅線(1.2mmφ15cm2本)、木板(5×15×120mm2枚)、厚紙(150×55mm)、ビニールテープ、両面テープ、フェライト磁石数個、単三乾電池2個〔電池ケース入り〕 他
    ()コイル冶具:室内配線カバーの座を10cm位で切断し、厚紙を間に挟んで、背中合せに固定したもの
 
 【工作の仕方】
   (1) コイル冶具を使って、矩形のコイルを巻きます。
   (2) 紙やすりで、コイルの一方の軸線の被覆を全面剥がします。コイルの他方の軸線の被覆は上半分だけ剥がします。板の上でこするとうまくできます。軸線を真っ直ぐにして、コイルのバランスがとれるように調整します。
   (3) 木板〔レール基礎〕の上に銅線を置き、ビニールテープで固定します。テープの端を少し伸ばしておきます。板を厚紙〔レール台〕に両面テープで固定します。
  (4) 銅線レールの端に乾電池を接続します。磁石1個を、レールの端の下に置き、コイルをその上のレールに乗せます。コイルを指で少し動かすと回転します。回転しないときは、コイルの被覆部分の剥がし具合をチェックしてください。
  (5) レールの間に同じ極性の磁石を並べて、コイルを置いてください。コイルが回転しながら、レールの上を移動します。また、異なる極性の磁石を6cm位離して置いてください。コイルが磁石の間を往復します。
 
 気をつけよう 
    コイルを動かし続けるとコイルを熱くなります。そのときはレールから外しましょう。
 もっとくわしく知るために
    この工作・実験は、フレミングの左手の法則を利用したものです。
    リニアモーターについては、http://www.tdk.co.jp/techmag/knowledge/200509/index.htm
    今回の工作・実験は「蔵前理科教室ふしぎ不思議(くらりか)」にご協力いただきました。
 

握るとモーターが回る不思議な電池 (科学の祭典2011出展)

 どんな工作・実験なの?
   冷蔵庫などで使用する脱臭剤の原料である活性炭とアルミ箔、食塩水を使って、円筒型の活性炭電池を作ります。その電池に模型用モーターを接続し、電池を握るとモーターが回転し、離すとモーターが止まる不思議な実験をしてみましょう。
 
 工作・実験のしかたとコツ
【用意するもの】
   活性炭粒子15g、キッチンペーパー11cm×23cm、アルミ箔12cm×25cmと 5cm×25cm、飽和食塩水6ml、丸木棒24mmφ、ストロー6mmφ、赤線・黒線(両端に目玉クリップ付き)、モーター(プロペラ、リード線付き)、プラスチックコップ、両面テープ、デジタルテスター
 
【工作・実験のしかた】
  (1) キッチンペーパーを横長に置き、下端から2cm余らせて丸木棒を乗せ、巻き付けます。次にアルミ箔12cm×25cmを横長に置き、下端から2cm余らせて、丸木棒を巻きつけたキッチンペーパーを巻き付けます。丸木棒からはみ出ているキッチンペーパーとアルミ箔の下端部を、2段で折り曲げ、丸木棒を抜きます。これで円筒型の電池容器ができました。
  (2) 食塩水を(1)で作成した円筒型内側のキッチンペーパーに染み込ませます。次に、活性炭を円筒型外側のアルミ箔の上部から1cm下まで入れます。
  (3) アルミ箔5cm×25cmを半分(5cm×12.5cm)に折り、ストローに巻き付け、上下をねじりストロー固定してアルミ棒を作ります。できたアルミ棒を活性炭の中心部に入れます。開いているキッチンペーパーとアルミ箔をねじって閉じます。アルミ棒に赤線を、円筒の下部に黒線を接続します。これで活性炭電池の完成です。
  (4) プラスチックコップの底に両面テープを付けて、モーターを固定します。プロペラも取り付けます。
  (5) 電池の赤線・黒線を、モーターの赤線・青線に接続します。このときモーターは回りません。つぎに、電池の円筒部分を持ち少しずつ握り締めると、モーターが回り出します。握りを弱めると回転が止まります。
  (6) モーターを外して、電池の両端にテスターを接続し、電池を握ったり離したりしたときの電池の電圧を測ります。電圧が大きく変化しているのがわかります。
 
 気をつけよう
   作った電池は分解しないでそのまま燃えないごみとして捨ててください。化学生成物が中にできています。
 もっとくわしく知るために
   活性炭電池は空気アルミニウム電池です。その原理などについては下記を参照してください。
     ・「夢・わくわく化学展2001実験DVD」 [炭とアルミの電池]
       http://www.chemistry.or.jp/edu/magic-dvd/chemical_01reason.html
   今回の工作・実験には、「蔵前理科教室ふしぎ不思議(くらりか)」にご協力いただきました。
 

ペットボトル顕微鏡 (科学の祭典2010出展)

 どんな工作・実験なの?
    顕微鏡を使うと、どうしてものが大きく、くわしく見えるのでしょうか?「微生物学の父」レーベンフックが使用したものと同じ原理の小さいガラス球を使った顕微鏡をつくります。その顕微鏡を使って、玉ねぎの細胞を観察して、ミクロの世界のふしぎを体験します。
 
 工作・実験のしかたとコツ
【用意するもの】
   直径2mmのガラス球、ペットボトル〔直径1.9mmの穴あきキャップ付〕、玉ねぎ、アクリル片、染色液(例えば酢酸カーミン溶液)、セロハンテープ、わりばし、ピンセット、スポイト、ティッシュペーパーなど
 
【工作・実験のしかた】
  (1) 玉ねぎの1片をむき、内側の薄皮をピンセットではぎ取って、アクリル片の真ん中に乗せます。
  (2) アクリル片に乗せた玉ねぎの薄皮に、スポイトを使って染色液を1滴垂らし、染色液がしみこむように10分程度置きます。
  (3) ペットボトルのキャップの穴に、わりばしを使って、ガラス球を埋め込みます。
  (4) 玉ねぎを乗せたアクリル片から余分な染色液をティッシュペーパーでふき取り、セロハンテープで玉ねぎの薄皮をカバーします。
  (5) (4)のアクリル片をペットボトル(顕微鏡の台)の口部に置きます。
  (6) キャップをペットボトル口部にはめこみます。
  (7) ペットボトル(顕微鏡)を明るいほうに向けて、ガラス球に目を接近させてのぞきこみます。キャップを回して、玉ねぎの細胞の像がくっきり見えるように調整します。
  (8) 玉ねぎの細胞を観察します。細胞膜や小さい細胞核が見えます。
  (9) 作った顕微鏡で、花の花粉、魚のうろこ、蝶の燐(りん)粉(ぷん)などを観察しましょう。その他、身近なものを探してみましょう。
 
 気をつけよう
   ペットボトル顕微鏡でものを見るときは光が必要ですが、直接太陽を見たり、太陽のほうへ向けたりしないようにしましょう。目をいためます。
 
 もっとくわしく知るために
    ペットボトル顕微鏡については以下のURLを参考にしてください。
      ・レーベンフック研究会 URL:http://microscopy.jp/leeuwenhoek/
   顕微鏡の原理である凸レンズの働きや光の性質については、小学3年生、中学1年生の理科の教科書を、顕微鏡で観察する生物などについては、小学3年生、5年生、中学1年生の理科の教科書を参考にしてください。
   今回の工作・実験には、「蔵前理科教室ふしぎ不思議(くらりか)」の方々にご協力いただきました。
 

電球を覗いてみよう (科学の祭典2009出展)

 どんな実験なの?
    電球の光について詳しく調べることで、いろいろな電球が出す光の特性(波長)について学びましょう。また、光を出すしくみを学ぶことで、エコについて考えるきっかけを持つことができます。
 
 実験のしかたとコツ
 (1) 右図のようなサイズの大きさの紙に図のような線を書きます。
 (2) 中心付近の+部分に1個所、パンチで穴をあけます(端から25mm位)。
 (3) 図の点線の丸部分の裏側に、10mm×10mm角に切ったホログラムシートをあて、パンチ穴保護用シールを上から貼ります。
 (4) A~B、C~Dの部分をカッターなどで切り込みを入れます。
 (5) 図の実線部分をすべて山折になるように曲げのりしろの部分をあわせて、両面テープなどで貼り、全体が三角すいの形になれば完成です。図の比率を守れば、名刺サイズの紙より大きな紙でも再現できます。
 
 ※ ホログラムシートを通していろいろな光をのぞくと、いろいろな「虹」が観察できます。虹シートで電球をのぞくと、虹の見えかたから面白いことを発見できます。一般的な白熱灯では、外側が赤、内側が紫と色が連続して並ぶきれいな虹が見えます。一方、蛍光灯の場合は、同じように外側が赤、内側が紫ですが、虹の色がとびとびになります。これは、それぞれの光を出すしくみの違いのためです。白熱灯は、電気のエネルギーでフィラメントを加熱して光を出します。蛍光灯は、蛍光管の中に放電させ電子を飛ばします。蛍光管の内側には蛍光物質が塗ってあり、電子が蛍光物質に当たると、蛍光物質は赤・緑・青といった特定の光を出します。白熱灯はフィラメントの加熱に電気のエネルギーのほとんどを使ってしまいますが、蛍光灯は、電気のエネルギーのほとんどを光に変えることができます。このことから白熱灯に比べ蛍光灯のほうが、エコといえます。白熱灯・蛍光灯どちらの光も、発光する光全体よりも、小さな穴から入る光を見た方が虹をよく観察できます。
 
 気をつけよう
   強い光を直接観察すると目を傷めます。特に、レーザー光線の光は絶対にのぞかないで下さい。太陽の光も同様です。太陽の光は、木漏れ日などを見ましょう。
 もっとくわしく知るために
    高校物理の教科書
    光については下記の本を参考にしてください。
     ・板倉聖宣・湯沢光男著:「光のスペクトルと原子」仮説社(2008)
    電球については下記の本を参考にしてください。
     ・左巻健男監修、桑嶋幹・川口幸人編著:「光と色の100不思議」東京書籍(2001)
 

熱と遊ぶ (科学の祭典2009出展)

冷たいと思った部分と、暖かいと思った部分の温度差は? えっー!
 どんな実験なの?
    熱と温度の違いを確かめましょう。そして、材質により、熱の伝わりかたに違いがあることを確認しましょう。
 
 どんな実験なの?
 【用意するもの】
    非接触温度計、プラスチックと銅からなる構造物、氷の入ったコップ、木の棒、ステンレスの棒、銅の棒、ヒートパイプ
材料によって、冷たくなる違いが驚くほど違います。
【実験のしかた】
  (1) プラスチックと銅からなる構造物を手で触り(図1)、プラスチック部と銅の部分のどちらが暖かいか、冷たいかを確かめてみましょう。温度差があればどの程度あるのかを考えてみましょう。
  (2) (1)の構造物の各部分を非接触温度計を使って温度を計測し、温度差があるかどうかを確認してみましょう。
  (3) 氷の入ったコップに、木の棒、ステンレスの棒、銅の棒、ヒートパイプを順番に入れ、各棒を握った手が冷たくなる違いを感じてみましょう。(図2)
 
  ※ ヒートパイプとは、密閉されたパイプ内に少量の液体を真空封入したもので、「液体の蒸発・凝縮の繰り返し」で熱を素早く移動させることができるものです。人工衛星など温度環境の厳しいところで使用されます。また、圧力が低いと低温で「水が蒸発」します。
 
気をつけよう
 ・この実験で使った非接触温度計はレーザーポインターがついています。人の顔に向けないようにしましょう。
 ・氷の入ったコップは中身をこぼさないように注意しまょう。
 
もっとくわしく知るために
   ヒートパイプ、蒸発における圧力の影響については下記を参考にしてください。
   
   ヒートパイプについて
       ・日本機械学会編:「機械工学便覧A6新版 基礎編 (1)」p.151[ヒートパイプ](1985)
   
   蒸発における圧力の影響について
     ・日本機械学会編:「機械工学便覧A6新版 基礎編 (1)」p.45[蒸気および圧縮液](1985)
 
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